


東京湾の水深50センチ。顔を漬けてみるとシュノーケル越しに感じられる水の味は海のそれではない。なんとなく変な味がする真水。多分これは下水の味なのだろう。
そんな牡蠣ガラとヘドロが続く海底に、これらの魚はいた。
釣り人は彼らのことを「ダボハゼ」と呼び、釣り上げてはがっくりと肩を落とす。
しかし水中で見る彼らの姿は威厳に満ちていた。オラの海に何しに来た!とでもいうかのような存在感。
何を隠そう彼らは「チチブ」「アカオビシマハゼ」「シモフリシマハゼ」という立派な和名を持つ東京湾を代表する魚たち。通常のダイビングポイントではない超浅場で泥場の汽水域で見られる彼らはダイバーにはあまり馴染みが無い。どの魚もお腹をパンパンにして、産卵の準備も整いつつあるようだ。
釣り人の狙う王道マハゼもいいけど、オレはダボハゼの生き方に惹かれるなあ。これからも暫くの間、彼らの生き様をとくと見せてもらうことにしよう。
[2005年5月東京湾にて撮影, NIKONOS RS, 50mmMacro, RDPⅢ, 1/30 f16, ストロボ]
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