日々の潜水・撮影活動の中でキラリと光ったシーンをまとめてみました
生への執念


この日、壮絶な生き物たちの生へのドラマを見た。

海底に横たわるコチ。
もうすでに目が白く変色して、死んでから時がたっていることが分かる。
しかし、その口の中には、なにやら生き物の気配が・・・

そこにいたのは、シマウミスズメ。
コチに丸飲みされたが、そのまま引っかかって飲み込めず、ついにそのままコチは息絶えた。
しばらく口の中でじっとしていたが、オレが近付いてきたことを察知して、俄然生への執念が蘇ったようで、脱出を試み始めた。



シマウミスズメにとっては、この狭いコチの口内というあまりにも特殊な環境に閉じ込められてから、相当な時間が経って、体力を消耗しているはずだ。
自分を喰ったコチは息絶えたが、新たなダイバーという敵から逃れるため、残りの力を振り絞って全力で外界に飛び出そうとしている。

「グァシッ!」
最後のアタックを試みたのが、この写真。
でもここまでが限界。
これ以上行くことも戻ることもできなくなって、動けなくなってしまった。

さあ、これからは時間との勝負。
死んだコチの口の肉が腐敗して緩んで脱出に成功するか、
それともこのまま共倒れするか。

絶望的な状況に陥りながらも、ひたすら明日を信じて生き抜こうとするど根性。
シャッターを押す手が感動に震えた。


上写真:[2013年2月24日、西伊豆にて撮影、EOS5DMarkII、100mmMacroUSM]
下写真:[2013年2月24日、西伊豆にて撮影、D90、TOKINA AT-X 107 DX FISHEYE]


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